「解答編」−解答例

脳力アップのための超難問

あなたの知的能力を飛躍的にアップさせるためのトレーニング問題集

難問・珍問・奇問の数々があなたの脳を活性化します。

貴方の持つ全ての知識と知恵を振り絞って挑戦してください。

解答例も用意してありますが、これがすべてというわけではありません。
あくまでも1つの例と考えてください。

解答例も参考にしながら、自由に好きなだけ解答を考えてください。

※解答のポイントは、優先する・される事項を何にするかということです。
 問題・解答の目的に合わせて、「費用」・「収益」・「時間」・「機能/品質」
 「能力/作業量」などの優先順位を定めて検討しましょう。


数理問題

論理的・合理的に考えることで、ただ1つの解答が得られる問題です。
一般問題をモデル化することで、数値計算・代数計算に変換したものが
多く見られます。
(このタイプの問題は、解答の条件さえ整理できれば比較的易しい部類に入ります。)

問題)

1.次の計算式が正しい計算となるように各文字に数字を当て
  はめてください。
  ただし、同じ文字は位置が違っていても同じ数字が入ります。

 send    9567
+more ⇒ +1085
money   10652

 

2.金貨が100枚づつ入った袋が10袋あります。
  ところがこの中の1つの袋は、全て偽金貨です。
  本物の金貨は1枚10gですが、偽金貨は本物の
  金貨より1gだけ軽いことが分かっています。
  最大1000gまで1g単位で正しく測れるバネ
  秤が使える場合、最低何回測れば偽物の金貨が
  入った袋を見つけられるでしょう。

1回測れば偽金貨を見つけられます。

見つけ方)

  1. 金貨の入った袋に1から10までの番号をつけ、
    その番号の数だけ金貨を取り出します。
  2. 金貨は、全部で55枚で、すべて本物なら550g
    となるはずです。
  3. 偽物は、1枚あたり1gだけ軽いのですから
    550gに足りない重さ(g)の番号に入って
    いるのが偽金貨であることが分かります。

この見つけ方は、問題文にあるような精度の高い秤が
なければ成立しません。(結構、高価です。)

もし、このような秤が無く、天秤のようなものしか
なかったとしたら、はかりの使用回数はどうなるで
しょう?

 

3.5%の食塩水300gに2%の食塩水を何g加えると
  3%の食塩水になるでしょう?

600g

求め方)

  1. 5%の食塩水に含まれる塩の重さは、300(g)×0.05=15(g)
  2. 2%の食塩水の重さをχ(g)とすると、塩の重さは、0.02χ(g)
  3. 3%の食塩水に含まれる塩の重さは、0.02χ+15(g)
  4. 3%の食塩水の重さ=(5%の食塩水の重さ+2%の食塩水の重さ)
                = 300(g) + χ(g)       
  5. つまり、
    (0.02χ+15)÷(χ+300)=0.03
  6. この式から χ(g) を求めると
    χ=600(g)

よくある勘違いですが、100gの水に10gの塩を溶かすと10%の
食塩水になると考える人は意外と多いです。(正解は、約9.1%)
また、5%の食塩水100gに3%の食塩水100gを加えると、8%の
食塩水になると答える人も予想以上にいたりします。(正解は、4%)

 

4.1気圧、気温15度の時、空気1リットルの重さを求めて
  ください。
  ただし、空気を構成する気体の体積比は窒素0.8
  酸素0.2とします。

約1.22(g)

求め方の例)

空気の体積比は、窒素0.8 酸素0.2と
仮定しているので、1気圧0℃の時
それぞれ理想気体で近似して、
1モルの体積を22.4リットル
  窒素N1モルの重さを28(g)
  酸素O21モルの重さを32(g)
とする。

空気1モルの重さは、
  28(g)×0.8+32(g)×0.2
 =22.4(g)+6.4(g)
 =28.8(g)

気温が15℃なので、体積の膨張を考慮すると
体積比=(273.15+15)÷(273.15)
    =1.0549

より、
28.8(g)÷22.4(リットル)÷1.0549=約1.22(g)

 

5.気温27度の空気30立方メートルと気温−23度の
  空気10立方メートルを混ぜ合わせると何度の空気
  ができますか?

14.5℃

空気の比重をρ、比熱をCp、0℃を絶対温度273Kとすると、
27℃の空気の熱エネルギーは
Q27=(273+27)×
Cp×30m3×ρ(J)
  =9000×Cp×ρ
同様に
Q-23=(273−23)×Cp×10m3×ρ(J)
   =2500×Cp×ρ

したがって、混合した空気の持つ熱エネルギー
Qcmp=Q27+Q-23=9000×Cp×ρ+2500×Cp×ρ
   =11500×Cp×ρ

全体の体積を考慮して温度を求めると、
T℃=11500×Cp×ρ÷(30m3+10m3)÷Cp÷ρ−273
  =287.5−273
  =14.5

ここで、空気の比重ρ=1.293kg/m3、Cp=1007J/kg・K(定圧比熱)
とおくと、
Q27=9000×1007×1.293=11718.46kJ
のように、熱エネルギーをもとめることができます。
こうした計算は、「冷暖房のエネルギー」を求める上で欠かせないものです。

 

6.冬場の灯油消費量は、平年を1.0とすると、平年より
  寒いとき1.3倍、平年より暖かいとき0.8倍となって
  います。
  今年の冬が平年より寒くなる確率が0.6、暖かくなる
  確率が0.1、平年並みである確率が0.3であるとき、
  灯油の販売量は平年の何倍程度と予想されるでしょう
  か?

1.16(倍)

求め方の例)

期待される販売量は
平年より寒くなる場合、1.3×0.6=0.78(倍)
平年より暖かくなる場合 0.8×0.1=0.08(倍)
平年並みの場合 1×0.3=0.3(倍)

合計して 0.78+0.08+0.3=1.16(倍)

ここでは、あくまでもある一時点での予測値を計算したわけですが、
現実には、時間の経過とともに確率の値を修正し、より正確な
予測値を継続的に求めていきます。

 

NP問題

普通に解答しようとすると、「場合分け」すべきパターンが爆発的に
増加してしまうため、解答条件を絞り込む必要がある問題です。

十分な時間と計算能力があれば、全ての場合を検証する
「ブルートパワー法」でも解を求めることができますが、
通常は、「既知の解法」を組み合わせる方法や、
「ヒューリスティック(発見的)な手法」と呼ばれる方法を用います。

ここでは、知識の「組み合わせ」や「関連性の発見」が重要となります。

問題)

1.「OTTFFSSE?」の?に当てはまる文字は何でしょう?

Nine

OTTFFSSE?
123456789

外国(英語圏)では比較的よく知られた
問題です。

2.「SMT?TFS」の?に当てはまる文字は何でしょう?

ednesday

SMT?TFS
日月火水木金土

この問題を
U O U ? H R A
sun mon tue wed thu fri sat
日 月 火 水 木 金 土

のように出題すれば、解答できる人は
ほとんどいなくなるでしょう。

 

3.「ね・う・し・と・う・た・み・う・ひ・さ・と・い・い」のなかで、仲間はずれ
  の文字を1つ探してください。

ねうしとうたみうひさといい
子丑×寅卯辰巳午未申酉戌亥

ここまでの問題は、解答を知れば簡単に感じますが、
さまざまな知識を取捨選択しその中から与えられた
条件を満たす正解に辿り着くことは至難の業です。
特にあまり知られていない事実などを使うような場合
には相当鋭い直感と運がなければ難しいでしょう。

 

4.CAB+BC=CCA、CAB−BC=BBCであるとき、CB+BCは?

BBA

問題文の計算を
ABCの各文字が
A=0
B=1
C=2
である、3進数による四則計算と仮定すると

CAB+BC=CCA
201+12=220

CAB−BC=BBC
201−12=112

となり、式を満足する。

よって、CB+BC=21+12=110=BBA

一見、簡単な置き換え問題のように見えますが「3進数」
を仮定しないと、条件が満たせません。
これが解ける方は、相当、「数学」に強い方でしょう。

 

一般問題

普通の日常生活では考えることがほとんど無い問題を扱います。

ほぼ無条件に出題される問題で、解は1つとは限らず、最適解が存在
する保障もありません。

非常に難しい部類の問題です。

このタイプの問題を解くための一般的な解法はありませんが、
解を求めるためのアプローチとして「問題解決法」を考えることができます。

通常は、この「解決法」と3つの「解法(算法)」さらに「論理展開法」を
駆使して、矛盾の無い、合理的な解を求めます。

ただし、得られた解が、現実に即したものである保証はありません。
(例えば、法律や経済的に適切ではないかもしれません。)

「問題解決法」の基本手順

1.与えられた問題は解決可能か?
  「はい」→解を求め、2.へ進む。
  「いいえ」→問題を別の問題に置き換えられるか?
         「はい」→別の問題に置き換え、2.へ進む。
         「いいえ」→問題をもう少し小さく分割できるか?
                「はい」→問題を分割し、2.へ進む。
                「いいえ」→問題の解決は不可能か?
                       「はい」→解は、「不能」を得て「終了」。
                       「いいえ」→問題の「本質」を整理し明確にする。
                              (適当に休憩を入れる。)
                              2.へ進む。

2.問題は解決したか?
  「はい」→問題は残っていないか?
       「はい」→与えられた問題は解決された。「終了」
       「いいえ」→1.へ戻って残された問題の解決を試みる。
  「いいえ」→1.へ戻って問題の解決を試みる。

解法(算法)

  条件に合うすべての場合を考え、その一つ一つを検証することで
  解を得る方法です。
  十分な作業能力と時間および費用がかけられる場合に使われ、
  確実に解を得ることができます。
  現実の世界でも、警察の捜査などは、この方法で地道に行われ
  高い成果をあげています。

  (警察が功をあせったときに、失敗する理由は「すべての」が抜けるからです。)

  既にある方法や知識を使って、機械的に解を得る方法です。
  問題の解き方を覚えて、手順どおりに作業することで機械的に
  解を求めます。
  ある意味で、もっとも効率の良い問題の解き方です。
  ただし、「既知の解法」が使えることを確認しておかないと
  失敗します。

  問題の性質や条件の特殊性から解を得ようとする方法です。
  通常は、NP問題の項でも述べたように「既知の解法」を組み
  合わせたり、問題や条件の類似性による問題の置き換えなど
  で効率の良い解法を見つけ出し、解を求めます。

論理展開法(証明法)

ある「もの」の特徴を「別のもの」に拡張し、この特徴が同種のものである
ことを示し、その「もの」が所属するグループと他のものとの区別を明確
にする方法。(特徴→規則・法則と読み替えてよい)

ある「もの」の特徴を特定のグループに「所属するもの」の特徴と比較する
ことで、その「もの」がグループに所属するかどうかを示す方法
(特徴→規則・法則と読み替えてよい)

ある法則を「否定する仮定」を行い、これが適用されたときに矛盾が
生じることを示し、元の法則を「否定する仮定」が誤りであったことを
指摘することで、本来の法則の正当性を主張します。

問題)

1.山の重さを測る方法を考えて、身近にある山の重さを測ってください。
  ここでいう「山」とは、比喩的な意味でなく、「山」そのもののことです。
  できるだけ、正確に、安価に測定する方法を考えましょう。

  1. 相当小さな山であるか、崩す理由のある山であれば、
    山を崩してダンプで土砂を運び重さを測ることができ
    ます。

  2. 測量によって、山の体積を求め、土砂や石・岩の平均
    重量から計算で重さを求めます。

  3. 重力検知器を使って山の重さを求めます。

    この「重力検知器」とは精度の高いバネ秤のことと
    思ってください。

2.常温・常圧での空気1リットルの重さを測ってください。
  ここでは、計算で求めるのではなく、測定による方法を考えてください。
  できるだけ、正確に、安価に測定する方法を考えましょう。

1000g程度まで量れてなるべく精度の高い(感度0.1g程度の)
秤を用意します。 
(これが、この問題の要点です。)
あとは、単純にガラス瓶など圧力で変形しにくい容器を使い、空気
ポンプや注射管を使って1リットルの空気を容器に押し込めて重さ
を量ります。
※1リットル(=1,000立方cm)の空気ですから、0〜10立方cm
  程度の誤差は、許容範囲(秤の測定精度外)と考えます。

 

3.魚を焼いたときに、中まで焼けていることを焼いた形を壊さずに調べる
  方法を考えてください。
  余力があれば、「とんかつ」が中まできれいに揚がったかどうか調べる
  方法も考えてください。
  できるだけ、正確に、安価に測定する方法を考えましょう。

比較的正確で、安価な方法は「お母さん」に判断してもらうことです。
「とんかつ」の場合には、とんかつ屋さんにききましょう。

X線などを利用した非破壊試験機や赤外線感知器などが使える
なら、こちらのほうが、「誰にでも」より正確に判断できるでしょう。

 

4.海の深さを測る方法を考えてください。
  もし、可能であれば、これも実際に調べて見ましょう。
  海底地形図などが閲覧できれば、調査結果と照合して
  見ましょう。
  できるだけ、正確に、安価に測定する方法を考えましょう。

  1. 数十メートル程度の浅い海底であれば、ロープを使って海の深さが
    測れます。

    ※昔は、この方法で数百メートル程度までの深さまで測っていました。
     ロープは、普通に作ったものでは100mぐらいの深さまで伸ばすと
     自重で切れてしまうので、少しずつ太くした特別なものを用意して、
     およそ10m間隔で色と模様を替えて目印にしていました。
     当然、あるポイント(地点)での深さしか分からず、海底全体の地形を
     正確に測ることもできませんでしたが、危険な海域の目安とするには
     十分価値のあるものでした。

  2. 数百メートル程度であれば、音波を利用して測れます。

  3. 千メートル以上の深海の場合には、音波だけでなく実際に潜水艇
    を使って潜ってみなければ、正確な深度はわかりません。

 

5.砂漠で飲み水を調達する方法を考えてください。
  また、身近にある砂場などでうまくいくか試してみてください。
  できるだけ、器具や道具を使わない方法を考えましょう。

もっとも簡単な方法は、砂に穴を掘ってビニールをかぶせ中心
部分に水をためる容器を置いておく方法です。

※ただしこの方法は、実際の砂漠ではうまくいきません。
 風によって砂が飛ばされて、ビニールが埋まったり穴が
 崩れたりします。

 

6.川にすんでいる魚の数を調べる方法を考えてください。
  可能であれば、実際に調べて見ましょう。
  もちろん、魚が弱ったり、死んでしまったりしないように注意
  して調査してください。
  できるだけ、正確に、安価に調べる方法を考えましょう。

野生の生物の個体数を調べる方法としては、生息している
個体をすべて調査する全数調査を行う場合もありますが、
調査目的や経済的・時間的・作業量的な理由から、次の
ような統計的手法による調査がよく使われます。

  1. まず、目的の生物の生息予想数の1〜10%程度
    に相当する数、または100〜1000程度の個体を
    捕獲し標識をつけたあと放ちます。

  2. 次に、少し時間を置いて再度前回と同様に個体を
    捕獲し、標識がついていた個体数の割合を求めます。

  3. このとき、統計学的に次の予測が成り立ちます。
    生息数=標識をつけた個体数÷標識のついていた割合

この計算の合理性は「統計学」を学習してください。

ちなみに、「平均」とは普通という意味でも標準という意味でも
ありません。
※よく「平均」という数字を「普通・標準」という意味で使っているのを
 見かけますが、これは誤りです。
 注意してください。

総務省統計局の家計に関する統計を見ると
 お金持ちが、「どうしてお金持ちになるのか?」
 「どうしてお金持ちにお金が集まるのか?」の
 一端を知ることができます。
(「収入」と「支出」のバランスを見てください。)

7.野外で、ライターやマッチを使わず火をおこす方法を考えて
  ください。また、危険の無い範囲で、実際に火をおこしてみま
  しょう。(意外と簡単でしたか?)
  できるだけ、器具や道具を使わない方法を考えましょう。

 

8.海水には、1立方メートルあたり約3gの金が含まれて
  いるそうです。
  この海水から「金」を取り出す方法を考えてください。
  できるだけ、安価に取り出す方法を考えましょう。
  ※これができれば「大金持ち」になれます。

残念!orz 「経済的」な方法は思いつきません。

海水から金を取り出す方法自体は、経済性
を考えないのであれば、単純に海水を煮詰
めて濃縮し、分離・精製する方法もあります。
この方法だと、費用は、およそ¥4,000以上になる
と思われます。(精製にかかる経費が高いのです。)

金の分離精製にかけられる経済的な費用の
目安は、海水中の金の含有量と価格から、
最大でも、海水1立方メートルあたりでおよそ
¥1,000〜¥1,500でしょう。

※海水中に含まれる金は、コロイド状らしいので海水を
 活性炭で濾過し、濾過後の活性炭を燃焼した灰を精製
 する方法はありそうですが、経済性は...疑問です。

 

9.砂糖と塩が混ざってしまいました。
  これを元の砂糖と塩に分離するにはどうすればよい
  でしょう。

  1. もっとも単純な方法は、揮発性の油に混合物を溶かし
    ます。
    通常、砂糖は油に溶けますが、塩はほとんど溶けません。
    (塩は電気的に分極した溶媒にしか溶けません。)
    砂糖が溶けている油を揮発させれば、砂糖が取り
    出せます。
    油に溶け残った塩は水に混ぜて溶かして、分離し
    ましょう。

  2. 分けるだけでよいなら、蟻(アリ)さんが手っ取り早いです。

  3. 水とお湯に対する溶解度の違いを利用する方法も
    あります。

 

10.5キロメートルの距離をできるだけ正確に測る方法を
  考えてください。
  できるだけ、正確に、安価に測定する方法を考えましょう。

自転車などの車輪を使って、1回転で何メートルか調べます。
(普通に、まっすぐ転がして1回転で進む距離を測ります。)
あとは、何回転で5キロメートルになるか計算して、回転数
から距離を求めます。
昔は、マラソンのコースもこの方法で距離を測っていました。

※正確に測れるのか不安が残ると思いますが、意外と計算どおりに
 誤差の少ない正確な結果が得られます。
 この、誤差が少ないことの確認は、時間や調査する人などを変えて
 何回か測りなおすことで調べられます。
 (こうした工夫が「技術の本質」と考えてよいでしょう。)

 


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